はじめに

中学受験において、秋から冬は「志望校の決定」「過去問対策」「模試の結果に一喜一憂」など、精神的にも学力的にも負荷が高まる時期です。親のかかわり方ひとつで、子どもの受験への姿勢やメンタルは大きく左右されます。本記事では、直前期における親の伴走のあり方、心の支えとなる声かけ、注意すべきNG行動、そして伴走疲れを感じたときの対処法まで、具体的に解説します。

秋から冬は「伸びる」時期

受験まであと数カ月──。このタイミングで最も重要なのは「焦らないこと」と「信じること」。秋から冬にかけては、知識の定着や過去問演習によって大きく学力が伸びる生徒も多く、焦らず着実に積み重ねていくことで、最後の伸びを狙えます。

とはいえ、模試の結果が思わしくなかったり、第一志望に届かない現実に直面したりと、親子ともに不安が高まる時期でもあります。ここで親がどうかかわるかが、子どもを乗せるか、潰してしまうかの分かれ道となります。

親ができる「心の支え」になる声かけとは

1. 結果ではなく“努力”を認める

「点数は低かったけど、毎日ちゃんと過去問に取り組んでて偉いね」 → 結果に一喜一憂せず、プロセスを見てあげる姿勢が大切。

2. 比較ではなく“成長”を伝える

「前よりミスが減ってきたね」「集中できる時間が長くなったね」 → 他人との比較はNG。本人の変化を肯定的に伝えましょう。

3. 「親の安心感」を与える

「もしだめでも大丈夫。あなたの頑張りは全部知ってるよ」 → 子どもは親の不安を敏感に察知します。親がどっしり構えることが、最大の支えに。

4. ネガティブなワードを封印

「なんでこんなミスしたの？」「また間違えてる！」 → 否定や責める言葉は、子どもの自信を奪います。指摘は冷静かつ建設的に。

NGな伴走例と改善法

メンタルを支える環境作り

• 生活習慣を安定させる：食事・睡眠のリズムが乱れると集中力も低下。
• 勉強以外の話も大切にする：趣味や雑談の時間も“親子の潤滑油”。
• 模試や過去問の振り返りは一緒に：責めるのではなく、「どうすれば次に活かせるか」を一緒に考えるスタンスを。

親が壊れないための“セルフケア”も忘れずに

• 不安を吐き出す相手を持つ：同じ境遇の保護者同士で話すだけでも安心感につながります。
• SNSとの付き合い方を考える：他の子の成功例ばかり見て焦るなら、距離を置くのも一つの手。
• 完璧な親を目指さない：「ちゃんとやれてないかも…」という罪悪感は不要です。60点でも十分です。

中学受験は親子の“共同作業”

最後の数カ月、子どもにとって一番の安心材料は“親の存在”です。

不安なときにそっとそばにいてくれること。努力を見守り、認めてくれること。失敗しても「大丈夫」と言ってくれること。成績表よりも、そんな親の言葉が、子どもを合格まで引っ張ってくれる力になります。

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