授業の途中で生徒の手が止まる。画面の向こうの表情がだんだん曇っていく。家庭教師をしていれば、誰もが一度はぶつかる場面です。
オンライン家庭教師は画面越しなので、生徒の集中ややる気の変化に気づきにくく、慣れないうちは自分の教え方が悪いのかなと不安になりがちです。
でも、集中力ややる気が続かないのは、生徒のせいでも先生のせいでもないことがほとんどです。原因を知って関わり方を少し変えるだけで、生徒の様子は大きく変わります。この記事では、原因を整理したうえで、授業前・授業中・授業後それぞれでできることを具体的にまとめました。
Teachのサポート動画「生徒さんの集中力が切れないようにするには?」とあわせて読むと、より実践しやすくなります。
なぜ生徒の集中力・やる気は続かないのか
対応を考える前に、原因を知っておくと打つ手がぶれません。集中力ややる気が途切れる理由は、だいたい次の5つに当てはまります。
ひとつめは、そもそも集中は長く続かないということです。人が高い集中を保てるのは数十分が限界と言われます。同じ作業が続けば誰でも飽きます。集中力がない子なのではなく、人間とはそういうものだと捉えるのが出発点です。
ふたつめは、環境に気が散る要因があること。自宅学習では、スマホの通知やテレビ、家族の話し声など、集中を妨げるものが視界や耳に入りやすくなります。オンライン授業は生徒の部屋がそのまま教室になるため、この影響をとくに受けます。
みっつめは、疲れや睡眠不足です。部活や学校で疲れていたり寝不足だったりすると、脳は思うように働きません。やる気の問題に見えて、じつは体力の問題だったというケースは少なくありません。
よっつめは、勉強の意味や目標が見えていないこと。何のためにやるのかが腹落ちしていない生徒は、なかなかスイッチが入りません。やる気が出ないのではなく、向かう先が見えていない状態です。
いつつめは、つまずきが放置されていること。わからないが積み重なると、勉強そのものから気持ちが離れていきます。集中していないように見えて、ついていけない箇所で止まっているだけのこともあります。
オンライン授業ならではの難しさ
画面越しの授業は、対面よりも生徒の主体性が必要になります。先生が隣にいないぶん、生徒は自分で姿勢を保たなければならず、ちょっとした退屈や疑問がそのまま離脱につながりやすいのです。
裏を返せば、先生からの働きかけが効きやすい場でもあります。ここからは、その具体的な方法を見ていきます。
授業前にできる下準備

集中が切れてから対応するより、切れにくい状態を最初に作るほうがずっと楽です。授業の冒頭2〜3分が勝負どころになります。
まず、学習環境を生徒と一緒に整えます。スマホは通知を切って手の届かない所に置こうか、机の上で今使わないものはどけてみよう、と声をかけるだけで散漫さがぐっと減ります。叱るのではなく、一緒に整えるという姿勢が大切です。
次に、今日のゴールをひとつだけ決めます。今日は一次関数の文章題を自分で解けるようにする、といった終わりの見える小さな目標を最初に共有しておくと、生徒は集中を配分できるようになります。
最後に、体調や気分を軽く確認します。今日はちょっと眠そうだね、部活だった?といったひと言は、緊張をほぐすと同時に、その日の集中レベルを測るセンサーにもなります。疲れている日は無理に詰め込まず、量を調整する判断もできます。
授業中に集中を切らさない進め方
説明と演習を細かく区切る
いちばんやりがちで、いちばんもったいないのが、先生がしゃべり続ける授業です。聞くだけの時間が長いと、生徒の集中は確実に落ちます。説明は短く区切って、すぐに手を動かしてもらいましょう。3分説明したら1問解いてもらう、くらいのリズムが目安です。
休憩や切り替えを意図的に入れる
長時間ぶっ通しは逆効果です。60分の授業なら中盤に小休止やストレッチを、30分のコマなら問題のタイプや単元を切り替えて気分をリセットします。短い雑談をひとつ挟むだけでも、後半の集中は戻ってきます。
小さな成功体験を積ませて、その場で褒める
できたという感覚は、何よりのやる気の燃料になります。難しい問題でいきなり挫折させるより、確実に解ける問題から入り、できた瞬間に褒めましょう。今の解き方よかったね、というひと言が次の1問への力になります。
逆に、前にも教えたよね、まだ覚えてないの、といった否定的な言葉は生徒を萎縮させ、やる気を奪います。気をつけたいところです。
発問で生徒を巻き込む
一方的に教えるのではなく、ここまででどう思う?次はどうすればいいと思う?と問いかけて、生徒を主役にします。反応が薄い生徒や人見知りの生徒には、はい・いいえや二択で答えられる質問から始めると、口を開きやすくなります。
集中が切れたサインを見逃さない
視線が泳ぐ、返事が遅くなる、手が止まる。こうした様子は、そろそろ限界というサインです。気づいたら責めずに、ちょっと休憩しようか、別の問題に変えてみようか、と切り替えます。我慢比べをしてもいいことはありません。
つまずきの一点を見つける
集中していないように見えて、じつはどこかでわからなくなって止まっていることがあります。どこまではわかってる?と一段ずつ戻っていくと、つまずきの場所が特定できて、生徒はまた前に進めます。
オンラインならではの工夫

口頭だけで進めず、ノートに書いて、カメラに映して目で見てわかる状態をつくります。うなずきや相づちは、対面のつもりより少し大きめにすると画面越しでも伝わります。生徒の手元や答案がカメラに映るようにしてもらうと、つまずきにも気づきやすくなります。
困ったときは、サポート動画「オンライン授業のコツ」も参考になります。
授業後に次のやる気へつなげる
授業の終わり方は、次回の集中とリピートを左右します。
まず、今日できたことを言葉にして返します。今日は文章題が自力で解けるようになったね、と成長を具体的に伝えると、生徒はやった内容を成果として受け取れて、次もがんばりたくなります。
次に、軽く予告や宿題を渡します。次は今日の応用をやってみよう、と先に伝えておくと心の準備ができて、次回の立ち上がりが速くなります。宿題は無理のない量にするのがコツです。
そして、保護者へのひと言をアプリ内チャットで送ります。集中して取り組めていました、という共有が信頼につながり、継続、つまり先生の評価と時給アップに直結します。Teachでは個人の連絡先交換は規約で禁止されているので、やり取りはアプリ内で完結させましょう。
まとめ

生徒の集中力ややる気が続かないのは、自然なことです。だからこそ、授業前にゴールと環境を整え、授業中は区切って巻き込んで褒め、授業後に成長を言葉にして次へつなぐ。この流れを意識するだけで、生徒の表情は変わっていきます。そして、また教えてほしいという声が、先生の評価と報酬を育てていきます。
未経験でも心配いりません。Teachには場面ごとのサポート動画があり、困ったときには運営チームに頼れます。最初の1コマから、ひとりで抱え込まずに始められます。
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