一生懸命教えたのに、次回には忘れている。家庭教師をしていると、よくぶつかる悩みです。じつはこれ、教えすぎが原因のことが少なくありません。人に教えてもらったことは忘れやすく、自分で気づいたことは記憶に残ります。
だからこそ、いい先生は「教える」より「気づかせる」。その鍵が発問、つまり考えさせる問いかけです。この記事では、そのまま使える質問例つきで、発問と分かりやすい教え方のコツを紹介します。
一方的に教えない。主役は生徒
説明を聞くだけの時間が長いほど、生徒は受け身になり、理解も浅くなります。先生がしゃべる割合を減らし、生徒に考えてもらう時間をつくることが出発点です。「ここまでをどう思う?」「次はどうすればいいと思う?」と、こまめにボールを渡しましょう。
発問の3つの型

問いかけには使いやすい型があります。場面に応じて使い分けます。
事実を問う。「この式から何が分かる?」「グラフのこの点は何を表してる?」と、目の前の情報を読み取らせます。
方法を問う。「これ、どうやって解けばいいと思う?」「最初に何をする?」と、手順を考えさせます。
理由を問う。「なんでそうなるんだろう?」「どうしてこの方法を選んだの?」と、根拠を言葉にさせます。
正解を急がず、生徒が言葉にするのを待つのがコツです。
例え話で日常に置き換える
抽象的な内容は、身近なものに例えると一気に伝わります。割合なら買い物のセール、関数なら自動販売機の仕組み、というように、生徒の生活に近い例を用意しておくと強い武器になります。
先に「構成」を見せる
話の見通しがあると、生徒は理解を整理しやすくなります。「今日のポイントは3つあるよ」と最初に伝えてから入ると、聞く準備ができます。
「分かった?」とは聞かない
「分かった?」と聞くと、生徒はつい「はい」と答えてしまいます。理解できているか確かめたいときは、説明してもらうのが確実です。「今のやり方、先生に教えてくれる?」と聞くと、本当に分かっているかが見えます。説明できれば定着していますし、詰まればそこが次の課題です。
沈黙を待つ
問いかけたあと、すぐに答えを言ってしまうと、考える時間を奪ってしまいます。数秒の沈黙は、生徒が頭を働かせている大事な時間です。じっと待ち、ヒントは小出しに。自分でたどり着けたときの「できた」が、いちばんの自信になります。
できたら、すぐ褒める
自分で気づけた瞬間を逃さず褒めます。「今の考え方、すごくいいね」と具体的に返すと、生徒はもっと考えたくなります。
やりがちなNG
答えを先に言ってしまう、「分かった?」で済ませる、専門用語をかみ砕かずに使う、これらは理解を浅くします。問いかけて、待って、言葉にさせる。この順番を意識しましょう。
まとめ
教えすぎず、発問で生徒に気づかせる。事実・方法・理由の問いを使い分け、例え話で身近に置き換え、説明させて理解を確かめる。これだけで、生徒の「分かった」はぐっと深く、忘れにくくなります。
発問は、生徒の集中ややる気とも深くつながっています。あわせて生徒の集中力・やる気が続かない時の対応法も読んでみてください。
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